「ありがとう」
たった5文字、されど5文字。
あなたが心からの感謝を込めて。
最後に伝えたのはいつでしょうか?
大切な人に改めて感謝を伝えるというのは、恥ずかしく、勇気も要ります。
べつに感謝を伝えなくても当たり前にいてくれる人。
その人に心からの感謝を伝えるというのは、案外勇気がいることです。
でも。
もしあなたが今、どん底にいるのなら。
前を向いて歩けない、希望が見えない、そんな日々が続いているのなら……。
「ありがとう」の5文字が、あなたを救ってくれます。
あなたの勇気を奮い立たせる、『勇気の愛言葉』になり得ます。
僕が心からそう感じたエピソードを、今から語らせてもらいますね。
お時間許す限り、お読みいただけると嬉しいです。
***
あれは24歳の頃。
東京から福岡に引っ越す、少し前の話です。
2024年の4月。
父親が腰の手術をすることになり、愛知の地元に帰ることになったのです。
実家は「農家」
祖父が早くに天国へ行き、男手は父親一人です。
その父が手術をすると男手がいなくなるので、満を持して僕が招集されたわけですよ。
期間にして三週間。
大学生で一人暮らしを始めて以降、こんなに長く実家に帰ったのははじめてです。
久しぶりに母の手料理を食べ、海や自然の香りが充満する地元の後光を浴びる。
社会人生活で蓄積した疲労が回復していくのが、よくわかりました。
父には悪いですが「手術をしてくれてありがとう」と言いたくなるレベルで実家生活を満喫できました。
何を期待するわけでもなく、ただただ僕を愛してくれる家族。
そんな温もり溢れる場所では、自然と「ありがとう」の5文字が浮かぶものです。
それに家族だけじゃない。
畑でよく会うおばあちゃんも。
昔よくキャッチボールをした隣のおじちゃんも。
大きな犬を連れながら海で散歩しているおじいちゃんも。
みんな「よく帰ってきたね。元気そうでよかった」と、温かい言葉をかけてくれます。
そんな温かい地元で過ごしたあの3週間は、今の僕にとってかけがえのない宝物となっています。
***
父の手術は無事成功に終わり、暇すぎる入院生活を終えて家に帰還してきました。
腰のあたりにメスを入れたので筆箱のジッパーみたいな傷跡が残っていますが、ひとまず無事で何より。
退院初日の夜は僕、父、母、祖母の4人で楽しく夜ご飯を食べました。
2日後、父も車が運転できるくらいに回復したその日の夜。
またもや夜ご飯を食べていると、父の電話に着信が入ります。
表示画面には高校からの親友の名前が。
しかもその親友には、2日前の退院日、帰りに寄ったコンビニで偶然会っていました。
「やいやい、2日ぶりだのぉ!」
やけに嬉しそうに電話に出る父。
久しぶりに飲みに行きたかったんでしょうね。
しかし、その電話の向こうにいたのは親友の「奥さん」だったのです。
そして奥さんは続けざまにこう言います。
「夫は死にました」と。
ソファの上で人知れず亡くなっていたようです。
父と同い年だから当時51歳。
天国へ旅立つには早すぎる年齢です。
人生100年時代が聞いて呆れる。
その事実もさることながら、僕にとって最も衝撃だったのは「2日前ピンピンしていた親友が亡くなった」という残酷さです。
僕はこの出来事をキッカケに「人はいつか、必ず死ぬ」という教訓を胸に持ち続けています。
そして、「ずっと僕を育ててくれた両親も、もしかしたら同じ状況になるかもしれない」という危機感も持ち続けています。
ただ、これは僕の人生です。
死ぬ瞬間を予想できないからと言って、ずっと親の傍にいることはしません。
でも、悔いは極力減らしたい。
「あぁ、あのときこうしておけばよかった……」という後悔は、最小限に抑えたい。
そんな気持ちで制作したのが、本書『恩人グラ』です。
本書の最後には、僕なりに両親、家族への感謝のメッセージを綴っています。
正直、恥ずかしい。
家族は僕が電子書籍作家をしていることを知っているので、たぶん読まれるだろうと思いつつ書きました。
でもね。
書き終わると、それはそれは清々しい気持ちに満たされたのです。
そして同時に「死ぬまでの間に、とことん自分の人生を謳歌してやろう!」という。
情熱と反骨心を足して2で割らないような、そんな心情に変わったのです。
以上の出来事をキッカケに、僕が『感謝-ありがとう-』が持つ力を再認識しました。
感謝を伝えること。
「ありがとう」を伝えること。
それは『あなたを奮い立たせる、勇気の愛言葉』になり得ます。
「ありがとう」、その5文字を伝えるだけで、あなたに敵はいなくなります。
敵がいるとしたら、それはあなたがそう思っているだけのこと。
そしてまた、「ありがとう」の5文字を伝えるだけで、あなたの味方は増え続けます。
味方が増えないとしたら、それはあなたが心からの感謝を伝えられていないだけのこと。
そしてさらに、「ありがとう」の5文字を伝えるだけで、あなたの挑戦の成功確率は跳ね上がります。
なかなか暗闇から抜け出せないとしたら、それはあなたが今ある幸せに感謝できていないだけのこと。
こんな偉そうなこという僕自身も、実際はまだまだです。
慣れてくると、「今」が当たり前に感じ、周りの人への感謝が疎かになります。
ただ、そんな未熟な僕だからこそ、言わせてください。
今、あなたが未来に不安を覚え、はじめの一歩が踏み出せずに葛藤しているのなら……。
もしかすると、『感謝』が不足しているのかもしれません。
建前ではない、形式上で淡白なものでもない。
心からの『ありがとう』を伝えられていないのかもしれません。
世間体ではなく、相手のためでもない。
他ならぬ「あなた自身」のために。
あなた自身が「わたしの周りはみんな味方なんだ」と気づくために。
どうか、心からの感謝を伝えてみてください。
友だちでも恋人でも、職場の同僚でも飲み仲間でも。
もちろん、家族でも構いません。
あなたの大切な人に、心のこもった感謝を伝えてみませんか?
***
2024年7月。
僕は東京から福岡の北九州に引っ越しました。
「やけん」「やっとーと」「〇〇っちゃ」
東京では耳にしなかった、新鮮な方言が耳に飛び込んできます。
「なんしよーと」の意味が多すぎて、マジで感情が読めません。
(ググってみて、英語の「have」より意味が多い)
すみません、話がそれちゃいましたね。
4月の帰省を終え、実家から東京に戻った後(正確には戻る前に電話で)
僕はすぐに職場の責任者に退職することを伝え、アパートの大家さんにも退居することを伝えました。
なぜ退職しようと思ったのか。
正直に言うと、自分でもよくわかりません。
ただ一つ、「今ある環境を手放すことでしか、新しいチャンスを掴むことができない」と思ったからです。
そんなあやふやな想いを胸に迎えた6月末。
最後の出勤日を終えた僕は、夜な夜な手紙を書き始めました。
もちろん、その宛先は「職場の同僚(と、お世話になったお客さま)」です。
合計50枚は書いたでしょうか。
22時から書き始め、気づいたら朝に。
一睡もせず、ただひたすらに感謝の言葉を綴っていました。
久しぶりにボールペンを使ったものですから、右手が攣りそうになりましたよ(笑)
でも、すごく気持ちが良かった。
普段なら恥ずかしくて言えないけど。
手紙だからこそ伝えられる感謝を伝えられた。
あんなことやこんなこと。
笑い話も織り交ぜながら、ありったけの「ありがとう」を込めて。
気がつくと、僕の心から「不安」がキレイさっぱり消えていました。
それどころか「僕の人生で出会う人は、みんな味方である」と。
今、自分が生きられている状況への感謝で溢れていました。
もう怖くない。
これから何が起きても「勇気の愛言葉」さえ忘れなければ、何度でもやり直せる。
だって、僕にはたくさんの「味方」がいるのだから。
***
そんないきさつを経て制作したのが、本書『恩人グラ』になります。
なんか偉そうなこと言ってしまいましたが、ぶっちゃけ僕自身もまだまだな人間です。
慣れてくると、「今」が当たり前に感じ、周りの人への感謝が疎かになります。
人間、一生勉強ですね。
して、本書はとりわけ長い時間をかけて制作しました。
他の絵本と差別するわけではありませんが、比べ物にならないほどの時間がかかっています。
期間にして3カ月。
「感謝」というシンプルなテーマながらも「200ページ越え」と。
もはや絵本なのか漫画なのか小説なのかわからないレベルの、超大作になりました(笑)
僕は今でも、ことあるごとに本書を読み返しています。
たった5文字、されど5文字。
心からの「ありがとう」を伝える勇気を忘れずに、これからも邁進していきます。
本書があなたにとって、先の見えない真っ暗な現状から奮い立つ一助に。
大切な人に『心からの感謝』を伝えるキッカケになれば、とてもうれしいです。
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電子書籍版:498円(税込み)
ペーパーバック版:2540円(税込み)
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絵本一覧は、こちらの記事でご紹介しています。
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また、本記事で出てきた「実家」のお話も、下記記事で詳しく綴っています。
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