「マぁジかぁぁぁあ〇△□×♦♡★凹凸%$#&*~!!!!?」
———「えっ!?」
「あっ、す、すみません……!」
商業出版決定の知らせを聞いたとき
僕は小倉駅(福岡)から東京駅に向かう新幹線の中でした。
横にいたおば……お姉さまに「なにコイツ! いきなり大声出してキモチわるっっ」と思われるくらい、発狂して喜びました。
だってうれしかったんですもん。
いっこうにゴールの見えない迷路をさまよっていたら、いきなりゲームクリアになったみたいな感覚で。
「!!!」と「???」が頭の中でカーニバル始めちゃったんですもん。
出版決定の知らせを聞いたのが2024年11月。
「商業出版しよう!」と決めて原稿を書き始めたのが2024年7月。
(※商業出版・・・主に出版社を介して全国に流通する出版)
数字にすると5ヶ月ですが、
体感では4時間目のドッジボールより激しく、濃密な期間でした。
本記事では、執筆が終わり、
「さぁいよいよ商業出版に向けてやったるぞ!」と舵をきった2024年9月から、
出版が決まった2024年11月までの経緯や想い。
そして〝自己啓発代表取締役社長〟と言っても過言ではないこの言葉。
「打席から降りなければ、いつか必ずホームランを打てる」
此度の商業出版チャレンジで得た大きな学びの1つであるこの言葉を。
このワンメッセージ〝だけ〟を、本記事で伝えます。
とはいえ、6000文字以上のちょいと(いや、けっこう)長い文章になるので、
上記のメッセージ以外に1つでも、あなたの人生にプラスになることがあればうれしいです。
じゃあ、まずは「変なおじさん」との出会いから!
—2024年9月— 変なおじさんとの出会い
K「んー、無理だと思うよ」
僕「……え?」
K「やっぱり物語系は難しいよ」
僕「はぁ…….」
K「やめたほうがいいと思うよ」
僕「………………」
(—— なんだコイツ……! 第一声で心折ってきやがった……!!)
僕が商業出版を目指し始めたとき。
「ヨース・K・白山」というふざけた名前のおじさんに話を聞きました。
(※仮名です。便宜上、ここでは「Kさん」と呼びます)
目的は「出版社に送る企画書のアドバイスをもらうため」です。
Kさんは過去に商業出版をしたことのある作家さんで、
X(旧Twitter)で交流しているうちにお人柄に惹かれ、講座を受けてみました。
そしたら、第一声ですよ?
「無理じゃない?」
(え? 先生が言う言葉?)って思いました。
〝初手で先生が言っちゃいけないフレーズランキング〟断トツ1位でしょ……。
一瞬、右手からジャブが飛び出るかと思うくらい頭に血が上りましたが、PC画面がかわいそうなのでやめました。
K「まぁでも、やってみないとわからないからねぇ~」
僕「そ、そーですよね……! やってみないとわからないですよね!」
K「んー、ソダネー。ま、とりあえず企画書見せてくれる?」
僕「あ、はい……….こちらです」
と、まぁ、最初は出鼻を挫かれる感じで始まった此度の商業出版チャレンジ。
「まぁでもなんとかなるでしょう」と、恋愛ドラマの最終回並みに甘い考えで始めた僕は、
ゴールの見えない迷路をさまようことになります…………。
—2024年10月— 企画書無限地獄
「えっ………、これマジいつおわる?」
Kさんと作った企画書を出版社に送る毎日。
誇張抜きに、毎日、朝から晩まで出版社に企画書を送り続けました。
しかも、同じ文章をコピペで送っているわけではありません。
その出版社のホームページや代表作品をチェックし、理念や方針をくみとる。
そこに「僕の書籍がどう役に立つか? マッチするか?」を記載し、メール文に添付。
たとえるなら、就活の志望理由・エントリーシートの「商品売込み版」を送り続けているようなものです。
迷惑、失礼、ご面倒、重々の十承知。
送り先がなくなったら本屋に赴き、片っぱしから出版社名をスマホにメモ。
本屋の店員さんからは「また来たよアイツ、暇すぎだろ」と、白い目で見られていたと思います。
しかし、成果はいっこうに現れませんでした……。
メールBOXに溜まるは「お祈りメール」と「自動返信」の2つ。
なかには「原稿は見てないけど、まだ24歳のあなたのノンフィクションは売れない」とハッキリ言われることもありました。
(せめて原稿読んでから言ってくれよ………)と思いつつ、しょせんは時間をちょうだいしている身分。
わざわざ編集者さん自ら返信してくれたことに感謝しなければいけません。
ただ、僕も人間です。
否定されれば心も落ち込み、不安になります。
(あぁ、やっぱり無理なのかなぁ……….)と未来を信じられなくなります。
送れば送るほど自信がなくなる毎日。
Gメールの〝送信〟を押し続けるだけの毎日を過ごしていると、地球上でただひとり、僕だけがなんの役にも立たないゴミ虫のように思えてきました。
ヒトは「人さまのお役に立つ」ことから離れすぎると、自分の存在価値を得られないんだと思います。
(いっそのこと日本に存在するすべての出版社に送って無理だったら諦めがつく)
(Kさんも「そこまでやってダメならしょーがないね!」と励ましてくれるはず)
「もう無理だな」、そう諦めかけていたときに救いの手をくれたのが、日本橋出版さまからのメールでした———
一通の電話
そのメールには「詳しく話を聞かせてほしい」との旨が。
(ママママママママママママ、マジ!!!!!???)
今までは、「自動返信です」と「まことに申し訳ないのですが~」のエンドレスループでしたからね。
心臓が破裂しそうなくらい驚きました。
冷静に見ると「ただもう少し詳しく聞かせてね」というだけなのですが、
当時の僕には本当に嬉しいことだったのです。
それからは何度かメールのやり取りをし、此度の企画について根掘り葉掘り。
そして最後に、「電話面談」をすることになりました。
出版社側にどんな意図があったのかはわかりません。
ただ、僕の脳内には大学4年生以来の「最終面接」という言葉が浮かびました。
(トゥルルルルルルルルルル、ピッ———)
「はい、片山です」
今まで聞いたことがないくらい声が裏返りました。
開始早々、赤面スタート。
が、正直、電話の内容はあまり覚えてません。
けっこうハイテンポな会話で、「いいことを言う」余裕もない。
なので僕は、とにもかくにも「嘘偽りのない本心」を伝えることだけに全神経を注ぎました。
最後のほうは、「がんばります!」「お願いします!」「がんばります!」「お願いします!」を連呼するだけの熱血インコ状態。
誰もいない部屋で「鬼舞辻無惨を前にした下弦の鬼かっ!」ってくらい、こうべを垂れまくりました。
でも、不思議と言葉はスラスラと出てきたんですよね。
(あんなに緊張していたのに…………なぜ?????)
それはおそらく、企画書、原稿、丁寧すぎるメール文作成の過程で、
「自分のどんな経験をとおして、誰に、なにを、伝えたいか?」
が明確になっていたからだと思います。
無意識レベルで脳に刷りこまれていた言葉だったから、
緊張しつつも、応答に困ることはなかったんだと思います。
採用結果もわからず、
まだなにも達成したわけでもない。
それでも僕は、此度の商業出版チャレンジをとおして、改めて、
「片山翔太という人間がどういう人で、なにを成し遂げたいのか?」
を自覚できた気がします。
―2024年11月— 小倉発・東京行き新幹線にて
「片山くん、今度東京行くんだけど来ない? すごい大物と会えるよ」
僕がネットビジネスを始めてからずっとお世話になっている師匠・Dさん。
普段の僕なら「遠いので行きません」と秒で断るところ、そのときは「もぬけの殻」状態だったので行くことにしました。
日本橋出版さまからの採用結果を待っている状態で、
もう他の出版社に企画書を送る気はありませんでしたからね。
小倉駅発・東京行きの新幹線。
平日の日中にもかかわらず、その日は異様に混んでいたのを覚えています。
(ミスった………、指定席にすればよかった………!!)
絶望・オブ・絶望。
およそ5時間の移動、さすがに立ちっぱじゃHP消えます……。
しかし、絶望していたのも束の間。
生まれついての〝席ソムリエ〟としての嗅覚が働き、
比較的早く、岡山駅を出発したあたりで席を確保できました。
(うぉっしゃ! ラッキ~♬)
腰を下ろすや否や、背面テーブルを広げ、おやつを展開。
ココナッツサブレ、とんがりコーン、そしてネスカフェボトルコーヒー無糖900ml。
甘さ・しょっぱさ・苦さを兼ねそろえた僕の24年の集大成。
その名も「三口ノ極意」(さんこうのごくい)
領域を展開して至福のひとときを味わおうとしたそのとき———
「テロン♬」
一通のメールが届きました。
#######
片山様
弊社で協議をさせていただき、
#######
(・・・・・・・・・・・・・。)
「マぁジかぁぁぁ〇△□×♦♡★凹凸%$#&*~!!!!?」
ヤバすぎる……!!!
乗る列車を間違えたテロリストかってくらいの発狂。
脊髄反射で気づいたらガッツポーズして立ち上がり、大声を上げていました。
横のお姉さまもビックリ仰天。
そりゃ何事かと思いますよね。
だってとんがりコーンぶちまけてるんですもん。
お疲れで寝ていたところを起こしてしまったのか、
「うるっせぇよ小坊主がぁ…..。ヒールで小指粉砕すっぞゴルァ」と言わんばかりのイカつい眼光でにらまれました。(ごめんなさい)
供給過多でバクバクの心臓を鳴らしながら、もう一度落ち着いてメールを確認。
(うん、間違いない……!!〝採用〟って書いてある!!!)
———この瞬間、今までのすべてが報われた気持ちになりました。
無駄だと思っていた時間も、無理だと思っていた夢も。
「ちゃんと今日につながってたんだ……」とすなおに思えました。
記憶をさかのぼる限り、僕の人生で1番、喜びに満ちた瞬間でした———
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。
「ねぇ、早く拾ってくれる?」
「えっ、あ、す、すみません……!!」
あわや涙が出る寸前のところで、お姉さまの一言。
床に散らかったエサに飛びつく犬のような無様な体勢で、僕はとんがりコーンを拾いました。
「伏せ!」って言われたらしっぽ振ってたかもしれません。
あなたに伝えたいメッセージ
さて………。
苦しかった日々に終止符が打たれ、商業出版も決まり一件落着。
なんか、「いい話」に見えますが………….。
いったん冷静になって、よーーーーーく考えてみてください。
今回、少なく見積もっても150社には企画書・原稿を送りました。
そして、採用はそのうちの1社。
打率でいったら0割0分7厘。
……くっっっそ戦力外!!!
アウトカウントを増やすために生まれた凡打製造機かってくらい、バットにかすってません。
年末のドキュメンタリー番組にすら出られない、ド低辺成績です。
非合理、非効率、非生産的。
AI時代に1番やっちゃいけない凡カス仕事術です。
でも、べつにいいんですよね。
だって僕、チームに属してるわけじゃないんですから。
打てない時期に迷惑をかけることもなく、ただ自分が苦しいだけなんですから。
ぜんぶ自分の責任で、
自分のやりたいようにやっているだけ。
自分で決めて、やっている
ただそれだけ。
これから先、うまくいかないこと、つらいこと、逃げ出したくなることは絶対にある。
それでも、「自分で決めて、やる」という信念を貫く限り、僕が不幸になることは一生ないんだろうなぁと。
此度の商業出版チャレンジをとおして確信できました。
「打席から降りなければ、いつか必ずホームランを打てる」
どうでしょう?
あなたも人生で一度は、似たような言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
スマホの向こうに映る〝成功者〟と呼ばれる人が、口々に語ってますよね。
「それはアンタが打てたから言えるんだろう」と斜に構える人も多いと思います。
(というか、僕がそうでした)
でも、僕は此度の商業出版チャレンジをとおして、
その言葉を心から信じることができました。
此度の商業出版決定、
口が裂けても「実力があったからできた」なんて言えません。
9割以上、「運」です。
「運も実力のうち」という言葉を加味しても、たまたまです。
偶然その日、日本橋出版で僕の企画書・原稿を見ていただいた方の機嫌がよく、
かつ、モーレツにハッピーな1日を過ごした挙句に僕のメールを見たのでしょう。
そうじゃなければ、無名作家の僕を採用する理由が見当たりません。
自分でも身の丈に合わないチャレンジをしていることは、よくわかっています。
自分の実力より遥かうえのラッキーホームランであることも、十分理解しています。
ただそれでも、紛れもない事実として、
商業出版できました。
物心ついた頃からの夢だった、
「本屋に自分の本が並ぶ」を現実にできるところまできました。
もしかしたら、今、あなたは苦しい状況にいるかもしれません。
「なんでわたしばっかりツラい目に合うんだろう……」
「こんなにがんばっているのに報われない、認めてもらえない……」
「結局、自分にはなにもできないんじゃないか……」
努力量に対して結果が比例せず、自分を信じられなくなっているかもしれません。
気持ちはわかります。
僕もこれまでの人生を振り返っても、そのほとんどが失敗ばかり。
喜び1割、悔しさ9割。嫉妬や劣等感だらけの過去だったからです。
でも、いつか必ず打てます。
必ず、ホームランを打てます。
もちろん、打ち方を変えてみたり、バットを新しいものにしてみたり、
右バッターから左バッターに変えてみたりと、試行錯誤は必要です。
それでも、諦めなければ、必ず報われます。
100%、必ずです。
だからどうか、その歩みを止めないでください。
努力を積み重ねてきた自分を愛し、報いてあげてください。
僕も、もっともっと打席に立ち続けたいと思います。
こんな長い記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
— 追 伸 —
本記事では建前上、偉そうに「作家」「商業出版」という言葉を使っていますが、
だからと言って僕がスゴイとか、人より優れているとか、そんなことは0.1ミリも思ってません。
まだまだこれからの未熟な人間です。
「打席から降りなければ、いつか必ずホームランを打てる」
この言葉は此度の商業出版チャレンジで得た、かけがえのない学びには違いありません。
が、それでも「まだ完全には信じきれていない」というのが、ほんとのところです。
自分に言い聞かせる意味も込めて、この記事を書きました。
いつの日か寸分の疑いもなく、胸を張ってこの言葉を言えるように、これからも精進していきたいと思います。
そしてもし、この記事を読んで、
「お前のホームラン、とくと吟味してやろうじゃないの」と思っていただいた方は、
本書の〝あらすじ〟だけでも覗いていただけると嬉しいです。
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