父「しょ~! お前が降りてこんとご飯が始まらんがやー!!」
↑
これ、僕の父が昔からいう言葉なんですよ。
ご飯を食べるときに、「全員が揃わないとご飯が始められない」という意味。
(ちなみに僕は、家では「しょう」と呼ばれています)
今回出版活動のために1年ぶりに実家に帰って、久しぶりにこの言葉を聞いたんですよねー。
「まだ言うか」と。
でね、やーーーーーーーーーーっぱり、こう思うんですよ。
「なんで?」
シンプルに、なんで?
なぜ「僕が食卓に行かないこと」と「ご飯を始められないこと」がイコールになんの?
関係なくない?
たとえば「僕の誕生日で、主役が来ないと始まらない」とかならわかりますよ。
あるいは「出版祝いだから、お前が揃わないと」とかでもわかります。
でもさー、とくになんでもない日に、そこまで強制しなくてもよくない?
まだいろいろやることあるのよ。
しかもこれ、僕が反抗期とかじゃなく、たぶん弟も思ってると思うんです。
「どーゆー理屈?」って。
「家族全員でご飯を食べなければ、体内に仕込まれた時限爆弾が起動する」的なデスゲームに参加させられてんのってくらいこだわるんですよ、父が。
「なんで?」
………とまぁ、どう考えても〝理屈〟に合ってないと5歳の頃から思っていたのですが、
よくよく考えてみれば、此度の一連の出版活動も全然〝理屈〟に合ってないよなぁと思いました。
たぶん、理屈に合わないことって、
だいたい〝楽しい〟んですよね。
と、こんな感じで無理やりこじつけた〝理屈〟の話を、本記事ではしていきたいと思います。
冒頭分だけでは無益臭がプンプン漂っていますが、それでも、
「気づけば〝正しさ〟ばかり選んでる人」
「自分の〝やりたい〟にブレーキをかけがちな人」
「自分の心に正直になれないまま、理屈で生きてる気がする人」
にはお役に立てるのではないかなと思っています。
「やったほうがいい」ではなく「やらなきゃ気が済まない」
たとえば、僕の今回の出版。
正直、まったく理屈に合ってなかったんですよ。
だって考えてもみてくださいよ。
報われるかどうかもわからないのに、
10万文字も書いて、
企画書まで作って、
それを150社以上に送りまくる。
どう考えてもアホすぎるでしょ。
脳筋すぎるし、効率悪すぎるし、理屈に合ってなさすぎる。
そのうえ仮に出版できたところで、大きな収入になるとは限らない。
実際、僕がずっとお世話になってるビジネスの師匠からも言われました。
「片山くん、いまは稼ぐ年齢。出版もいいけど、今やるべきは収入に直結することだと思うよ」って。
もう、ぐうの音も出ないほど正論。
反論の余地もないほどそのとおりだし、愛があって言ってくれてるのもめちゃくちゃ伝わってきました。
でも、それでも、
僕は出版したかったんです。
理屈だった説明なんてできません。
でも、「やらなきゃ気が済まない」という気持ちがたしかにありました。
心の中でずっと言ってるんですよ。
「いいからやらせてくれぇ!!!」って。
あのときの僕にとって出版は
「やったほうがいいこと」じゃなくて、
「やらなきゃ気が済まないこと」だったんですよね。
ヒトは「感情で動き、理屈で納得する」生き物
そんなこんなで何とか実現した出版。
「いやぁ、途中無理かと思ったけど出版できることになったぜ~」と安堵していたのですが、むしろ大変なのはそこからでしたね。
チラシ配って、学校で授業やって、手売りイベントやって、営業して……。
ほぼ毎日アタフタしてました。
「べつにわざわざ僕が体を張って売る必要なんてないのに……」
「こんなことやって、なんの意味があるんだろう……」
そう思ったときもありました。
いくら自分が「やってみたい!」と思ったことだったとしても、
それは決して「ラクできる」という意味ではないですからね。
でも、不思議と楽しかった。
大変だったし、すごく憂うつだったけど、楽しかった。
「いや、それってただの自己満じゃないの?」と思う人もいるかもしれません。
正直、自分でも自己満足だと思ってます。
自分の「やってみたい!」という好奇心に、
無理やり身内や地元を巻き込んだ、ワガママな自己満足だと思ってます。
でもね、これって実は、
「人間の脳の作り」的には普通のことなんですよ。
実は、人間の脳が物事を判断するときにまず最初に働くのは、「理性」ではないんです。
最初に動くのは、本能や直感、「感情」をつかさどる部分。
難しい言葉でいうと「大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)」という部分で判断しているんですよ。
(ちなみに、理性を司る部分を「大脳新皮質(だいのうしんひしつ)」と言います)
つまり、「やりたい」「やだ」って感覚が先なんです。
で、そのあとに「それっぽい理屈をつけて正当化する」って流れ。
これは僕が勝手に言ってるわけではなく、脳の構造上、そうなってるんですよ。
たとえば、「洋服を買うとき」を思い出してみてください。
「この色、似合ってるかわからんし……」
「高いし、クローゼットに服いっぱいあるし……」
って考えるのに、結局買ってしまうことありません?
これって、感情(本能)で「これ、好き!」って感じたあとに、
「まぁでも、仕事でも使えるし!」
「今着ている服、ちょっと古くなってきたから!」
という理屈をあとからくっつけてるんですよ。
簡単に言うと、「人は感情で動き、理屈で納得する生き物」ってことです。
僕の出版活動もまさにそうでした。
「本を出したい!」という感情に突き動かされて動いて、
そのあとから「これは将来役立つはず」とか「今後のビジネス活動でブランディングに繋がるはず」とか、そういう理屈を後づけしていった。
「なんか手売りしたい!(サインしてチヤホヤされたい……)」という感情に突き動かされて、
そのあとから「地元盛り上げるの大切じゃね?」とか「手売りのほうが一気に売れるでしょ!」とか、テキトーな理由を後付けしていった。
そーなんです。
そのほとんどが〝屁〟理屈、なんですよ。
つまり、こじつけ。
だって冷静に考えたら、
本の出版って時間かかるし、売れるかわからんし、
手売りなんて「そもそもネットや本屋で売ってんじゃねーか!」って話なんですよ。
でもね、僕は思うんです。
だいたい、「なんか知らんけどやってみたい!」と感情が湧くものには、
少なからず〝向いてる部分〟があるんじゃないかって。
逆に言えば、「感情が1ミリも動かないもの」って、
そもそも〝適性ゼロ〟なんじゃないかと思うんです。
たとえば僕、「作家になりたい!」と思ったことは何度もあります。
でも、「ダンサーになりたい!」と思ったことは一度もありません。
というのも僕、「リズム感」が皆無なんですよ。
以前勤めていたスポーツクラブ会社の新人研修で「みんなでリズムに合わせて身体を動かしましょう♪」という時間があったんですが、僕だけ完全に動きがズレまくってて………。
もうね、「俺だけ違う曲で踊ってない?」ってレベルだったんですよ。
周りはEXILEのリズムでシャッ!シャッ!って動いてるのに、僕だけラジオ体操第二踊ってんのかってくらい。
そりゃ合うわけないですよね(笑)
これらの経験もあり、
100兆分の1の確率で超大手K-POPアイドルプロデューサーに「君、顔がいいからアイドルやらない?」と誘われても、「やりません」と答えると思います。
なぜなら、本能レベルで「やりたくない」から。
あなたに伝えたいメッセージ
さて、この記事をここまで読んでくれたあなたにも、
なにかしら「理屈じゃないけど、ずっと心に引っかかってること」があるんじゃないでしょうか。
「ほんとはやりたいけど、反対されそうで黙ってること」
「やってみたいけど〝今じゃない〟って後回しにしてること」
「自分の気持ちに蓋をするように、あれやこれやと言い訳していること」
その気持ち、全部正解です。
だって人間は、感情で動く生き物なんですから。
「なんか知らんけど、これやってみたい!」という〝ポジティブな感情〟もあれば、
「人に反対されたくない。周りと足並み揃えたい」という〝ネガティブな感情〟があるのも、また事実だからです。
そしてそのネガティブな感情を少しでも減らすのが、僕の仕事です。
と言っても僕が強制連行してあなたを動かすことはできないので、やっぱりできるのは言葉で伝えるだけ。
「やりましょう」
ウダウダ考えてないで、まず今いる場所から少しでも動いてみましょう。
動いた結果どーなるか、とか、そんなこと考えなくていいんです。
どうせ大した根拠もない、ただの屁理屈なんですから。
それに自分で勝手に思い込んでいる〝リスク〟って、はたから見るとリスクでもなんでもないことが多いですからね。
勝手に自分が思いこんでいるだけ。
感情で「こわいなぁ」と思っていることがほとんど。
人間、どれだけ小利口ぶっても理屈だけじゃ生きられません。
感情で動いて、感情でつまずいて、感情で笑う。
屁理屈上等。硫黄くさくて結構。
これからも、正しさだけを追うんじゃなくて、「なんかわからんけどやりたい!」って気持ちに、お互い飛び込んでいきましょう。
理屈に合わないことって、だいたい楽しいですよ~。
追伸
……で、一応話を戻すと、
父の「しょーが降りてこんとご飯が始まらんがや!」っていうあの一言。
あれも完全に理屈じゃない。
感情100000000000%。
フリーザの戦闘力余裕で越えてます。
あるのは感情だけ。
「しょうたが帰ってきてくれて嬉しい」
「家族みんなでご飯を囲みたい」
っていう、その感情だけ。
ご飯だって1人で食べられるけど、
みんなが揃ってたらなんかうまい。
理屈ではなく感情で、
「全員揃わないと始まらんがや!」って言いたくなる気持ちが、案外1番大切だったりするのかもしれませんね。
でも、やっぱり最後に言いたい。
「なんで?」
コメント