「がんばっているはずなのに、なんか人生うまくいってない……」
僕がはじめて『運転者』を読んでいた頃に、悩んでいたことです。
僕は典型的な〝熱血不器用タイプ〟で、
1000の努力で1の結果を得る、「効率」という言葉を母のお腹の中に置いてきたレベルの非合理人間です。
「毎日10時間勉強しているのに、いっこうに試験の結果があがらない……」
「誰よりも遅くまでグラウンドに残って練習しているのに、下手くそなまま……」
「朝から晩まで12時間以上パソコンをカタカタしてんのに、結果が全然見合わない……」
これらすべて、僕が抱いていた悩みです。
そしてこの記事をお読みいただいているあなたも、どこか心当たりがあるのではないでしょうか。
人間、最初は楽しくやっていても「結果」が出なければ徐々にやる気を失っていきます。
当たり前ですよね。「成長」を感じられないんですから。
僕も過去幾度となく、「やるぞ!→ 結果が出ない → もう1回!→ また、結果が出ない →やるぞ……→ 結果が……」を繰り返して、不器用すぎる自分に嫌気がさしていました。
そんなときに出会ったのが、本書『運転者』
この本を初めて読んだのは大学4年生の頃だったのですが、
そのときに得た『常に〇〇〇でいること』という言葉が今でも脳内にべったり貼りついています。
「結果を出せず、人生がずっとうまくいってない……」
そんな悩みをお持ちの方には、本当に心からおすすめします。
本記事では、『運転者』のあらすじをサクッと解説し、「僕が得た学び・変わったこと」をメインに話していきますね!

いざ! 運の教科書へ!
【読書感想】運転者 未来を変える過去からの使者
【著者】喜多川 泰
【タイトル】運転者 未来を変える過去からの使者(プレミアムカバー)
【出版社】ディスカヴァー・トゥエンティワン
【出版日】2023.08.25
*――あらすじ――*
歩合制(出来高制)の保険会社で働く岡田修一。
ある日、長年のお得意様から契約解除を言い渡され、
修一は給料が減るどころか、次の職を探さなければいけないほどの苦境に陥ります。
そんな絶望の中でふと乗り込んだタクシー。
その運転手は「運を運ぶ〝運転者〟」という、一風変わったドライバーでした。
修一は運転者との奇妙なドライブを通じて、〝運〟の心理に近づいていく。
運とはなにか? 努力とはなにか?
人生、どうすればうまくいくのか———
人生の捉え方を見つめ直し、再び前を向く力を得られる。
読むたびに、〝運〟に対する見方が変わっていく『運の教科書』です。
僕が学んだこと・変わったこと
僕が本書をはじめて読んだのは大学4年生の頃で、
少なく見積もっても、もう5回は読み直していると思います。
そろそろ「運転者ヘビーユーザー」の認定証が届いてもいいかなぁと思っている頃なのですが、だいたい目安ってどれくらいなんですかね?
さて、くだらない冗談はさておき、
僕が本書を読んで最も学びになったこと・変わった(身についた)考え方。
それは『常に上機嫌でいること』です。
「………え? そんだけ ってか内容薄っ!!」と、
スリッパ片手に走ってきたおかん並の勢いでツッコまれそうですが、これは大真面目です。
「常に上機嫌でいましょう」
こんなことを言われて「わかりました! じゃあ今から上機嫌でいます!」とすなおに受け入れられる人はそう多くないでしょう。
なぜなら、「僕自身が、最初に聞いたときはめちゃくちゃ斜に構えていたから」です。
もう、ピサの斜塔が対抗心燃やすレベルの斜め。
ゴリゴリに批判的に、この言葉を受け止めていました。
でもね、何回も読んでいくうちに。
つまり、年齢を重ねていくうちに、ふと思ったんです。
「あ、これ合ってるわ」って———
「機嫌」はコントロール可能
まず、シンプルに考えましょう。
「上機嫌でいるほうが幸せだ」
これに異論はないと思います。
「不機嫌でいることのほうが幸せだ」っていう逆はないと思うんですよ。
そんでもって「自分の機嫌は、自分の考え方次第で変えられる」っていうのも、ハッタリクサいですが真実なんですよね。
たとえば1週前、電車が遅延したんですよ。
それも10分、20分の話じゃなくて、1時間、2時間、3時間単位。
僕の〝遅延〟の範疇に収まらないくらい遅れていたんですよね。
しかも時間は夜の23時間過ぎ。
家に着くのに日をまたぐのは確定しています。
もちろん、僕以外にも待っている人がいるわけで。
みんな多分に漏れず愚痴ってたんですよね。
〝不機嫌〟になってたんですよね。
「怨念の同窓会場か」ってくらい、ため息交じりの低いトーンが響き渡ってました。
「不機嫌でいること」は、単純に意味がない
でも、不機嫌でいることって、単純に意味なくないですか?
だって、電車が到着する時間を早めるなんて、自分でコントロールできないんですもん。
このときにコントロールできることと言ったら、
自分の〝機嫌〟と〝行動〟くらい。
だから僕は、「じゃあパソコン開いて、ブログ記事書こうか」って結論になったんですよ。
そしたら、「深夜テンション」+「周りの有象無象が愚痴ってる中、俺だけレベルアップしてるぜ♬ という見下し優越感」が爆発してノリノリに♬
気づいたら、あっという間に1記事完成しちゃって……。
そしてそして、先日その記事から売り上げが発生したんですよね。
これって純粋に「いい結果」じゃないですか。
少なくとも「電車の遅延を愚痴ってる人」よりも、いい未来につながったとは思うんですよ。
この一連の話で言いたいのは、「機嫌はコントロール可能」だということです。
だって機嫌、つまり自分の気持ちがコントロール不可能なものだとしたら、
「電車の遅延=不機嫌=よくない未来」というダークな方程式ができあがっちゃうわけじゃないですか。
でも、そんなことないですよね。
僕の場合は、ブログ記事書けて、そこから売り上げが発生したし。
もしかしたら付き合いたてのカップルは、話す時間が増えてより仲が深まったかもしれないし。
もしかしたら熟年離婚寸前の夫婦が「付き合いたての頃も、こんことあったよな……」と昔を思い出して、「ごめん、やっぱり俺が悪かった。老後も君と一緒にいたい!」とめでたく仲直りできたかもしれません。
まぁ最後の例えはレアケースすぎますが、必ずしもダークな方程式ができあがるわけじゃないってことは、理解してもらえたかと思います。
まとめると、
「〝機嫌〟はコントロール可能であり、嫌な出来事が必ずしも〝不機嫌〟につながるわけではない」
ということです。
「人生うまくいってそうな人」の共通点
なにかにチャレンジした〝結果〟
他人の気持ちや電車の遅延など、自分の〝外〟にあるもの
これは自分の手でコントロールすることはできません。
100%思いどおりにすることなんてできません。
毎日12時間受験勉強をした高校3年生が、必ずしも第1志望の大学に合格できるわけじゃないし、
大好きで尽くしまくった異性に、必ずしも振り向いてもらえるわけでもないですよね。
電車の遅延みたいに、自分ではまったく干渉しようのない出来事だって起こるわけです。
『結果を100%コントロールすることはできない』
これは誰がなんと言おうと揺るがない、ただの事実です。
じゃあ、僕たちが100%コントロールできることはなんでしょうか?
どんなハプニングが起きても思いどおりにできることはなんなのでしょうか?
それこそが『機嫌』です。
上機嫌でいること。
上機嫌で「いよう」と心がけるところ
それがすなわち、『人生がうまくいくコツ』なのではないでしょうか。
「不機嫌でいる」ことって、実は簡単です。
目の前の現実に愚痴り、「私はなんてかわいそうなのかしら」と被害者面していればいいのですから。
でも、それって本当にかわいそうです。
だって、「自分は感情に支配されて、行動がコントロールされるんだ」と言っているようなものですから。
生殺与奪の権を他人に握らせているようなものなのですから。
自由も義勇もあったもんじゃありません。
上機嫌でいれば、なにかしら前に進めます。
上機嫌でいれば、なんらかの解決策を考えようとします。
上機嫌でいれば、人に優しくでき、良好な人間関係が築きやすくなります。
これらもすべて「不機嫌な方がいい」という逆はあり得ません。
上機嫌でいることが、必ずしもいい結果に結びつくわけではないのかもしれない。
上機嫌でいることが、必ずしも問題を解決できるわけではないのかもしれない。
僕の電車の話だって、結果論にすぎません。
でも、「人生うまくいってそうな人」が総じて「上機嫌の人」が多いと思うのは、僕だけではないはずです——
まとめ
いやぁ、感情移入しすぎました。
記憶が正しければ、僕が初めて読んだ「自己啓発小説」だったので、今でもそのときの衝撃を覚えています。
『上機嫌でいること』
一見すると簡単そうにも聞こえるし、そこら辺に転がっている言葉にも思える。
でも、これを本気で意識したことで僕は変われた気がします。
〝結果〟というコントロールできないものではなく、〝自分の在り方〟というコントロールできるものにフォーカスを向けられるようになりました。
たぶん、本を読んですぐにガラッと変わることはありません。
明日から肩で風を切るような無敵モードになるわけでもありません。
でも、意識すれば、着実に人生が変わる。
〝運〟が変わるメッセージが込められています。
ぜひ読んでみてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【著者】喜多川 泰
【タイトル】運転者 未来を変える過去からの使者(プレミアムカバー)
【出版社】ディスカヴァー・トゥエンティワン
【出版日】2023.08.25
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